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葬儀当日のイメージ

葬儀の日程はどうやって決める?決め方のポイントや注意点を解説

親しい方がご逝去された後には、悲しみに暮れる間もなく、葬儀の日程を決めなくてはいけません。お通夜・葬儀・告別式など、お葬式の日程はどのように決めたらいいのでしょうか。また、葬儀の段取りで慌てなくて済むような事前準備はできるのでしょうか。

今回は、葬儀日程を決める前に確認するべきポイント、葬儀を終えるまでのスケジュールについて解説します。

目次

葬儀の日程を決める前にやっておきたいことは?

家族や親族がご逝去された後は、ご遺体が傷まないうちに葬儀を執り行い、火葬・納骨をしなくてはなりません。しかし、なかなか心の整理がつかず、急かされるように葬儀をした結果、後悔が残ってしまうのは悲しいことです。

いずれ葬儀が必要になるかもしれないと思ったら、事前に「場所」「参列人数」「形式」「費用」の4つを大まかに決めておくことをおすすめします。この4点が決まっていれば、葬儀会社との相談や葬儀の段取りもスムーズに進められるためです。以下で、各項目の決め方を解説します。

葬儀を行う「場所」の候補を決める

お亡くなりになった日によっては、葬儀場や火葬場の予約が埋まっていたり、休業日と重なっていたりして、ご逝去日の翌々日に葬儀を執り行えないことがあります。そういった事態に備えるため、葬儀場・火葬場の候補をいくつか決めておくと良いでしょう。「予定していた葬儀場や火葬場の予約が取れなかった」という状況でも、複数の候補があれば、別の場所を選択できます。

参列者の「人数」を想定する

弔問してくださる方の人数は、葬儀の段取りに大きく影響します。参列者が多ければ相応の葬儀場を確保する必要がありますし、訃報のご連絡にも時間がかかるでしょう。弔問してくださる方への会葬御礼(参列者への返礼品)や香典返しも用意するので、人数が増えれば費用も増えます。また、葬儀の形式も人数に左右される要素です。会社関係者や近隣住民の方もお呼びするのであれば、一般葬が望ましいですし、家族や親族だけでひっそりとお見送りするのであれば、家族葬や直葬という選択肢もあります。

正確な人数はわからなくても、故人の交友関係を知り、事前に大まかな数を把握しておくことが大切です。

葬儀の「形式」を決める

葬儀の場所と人数をおおむね決めたら、どういう形で葬儀を執り行うのかについて検討しましょう。葬儀とひとくちにいっても、「一般葬」「一日葬」「家族葬」「直葬」などさまざまな形式があります。

昔ながらの「一般葬」は、近隣の方やお仕事関係の方もお呼びして、葬儀・告別式を行います。「家族葬」は、親族や故人と親しかった友人だけで集まる内々の葬儀です。身内だけで葬儀を執り行うのであれば、通夜・葬儀・告別式を一切行わずに、すぐに火葬場へ向かう「直葬(火葬式)」を選択することもあります。

故人のお知り合いが多い場合に家族葬や直葬を選ぶと、後日「ぜひ最後に挨拶をさせてほしい」と自宅に弔問してくださる方が多くなることが予想されます。ご遺族の負担が大きくなりやすいため、故人の交友関係が広い場合は、皆さまが一堂に会する場を設ける一般葬でお見送りするほうがいいかもしれません。

葬儀の形式によっては、通夜や告別式を行わないことがあり、スケジュールや葬儀費用が異なります。いざというときに慌てないためにも、葬儀のスタイルは早めに決めておきましょう。

葬儀費用を決める

葬儀の「場所」「人数」「形式」が決まったら、おおよその費用がわかります。ご自身で調べたり、葬儀会社に問い合わせたりして、希望の条件ではどれくらいの費用がかかるのかざっくりと把握しておきましょう。葬儀には少なくない費用がかかります。先に費用の目安を知っておけば、いざというときに「思ったよりも葬儀費用が高くて、費用が捻出できないかもしれない」と慌てる心配もありません。想定よりも費用がかかりそうだと判断したら、人数や葬儀のスタイルを見直して、無理のない範囲で故人にお別れできるような葬儀になるように調整しましょう。

以下のページでは、葬儀にかかる費用について解説しています。葬儀費用に関することを詳しくお知りになりたいかたは、ぜひご一読ください。 葬儀費用はいくら必要?葬儀で支払う費用の内訳

葬儀の日程を決める流れ

ご逝去された次の日に通夜、翌々日に葬儀・告別式・火葬を行うのが一般的ですが、このスケジュール通りに進められるとは限りません。菩提寺や火葬場の混み具合によっては、このスケジュールでは対応できず、日程を変更しなければならないこともあるからです。

葬儀の日程は、以下のように調整するとスムーズに進められます。

遺族・親族の都合を確認する

すべての親族の予定に合わせることは困難ですが、ぜひ参列していただきたい親族の都合がつく日は、あらかじめ聞いておくと良いでしょう。親族が葬儀に参列できそうな日時の候補をいくつか聞いておけば、火葬場・菩提寺・葬儀場への問い合わせをした際、迷うことなく円滑に日程調整ができるからです。遠方から来る親族がいらっしゃる場合は、到着時間を考慮した時間に設定することも忘れないようにしましょう。

火葬場の予約を取る

最初に確定させるべきなのは、「火葬」の日程です。火葬はご逝去の翌々日に行うことが一般的ですが、状況によっては火葬場の予約が埋まっていたり、定休日だったりすることもあります。友引の日は「友を引く」を連想させるとして全国的に葬儀・火葬を避ける風習があるため、友引を定休日にしている火葬場もあります。なお、本来の友引は「勝負のない日」という意味で、不吉な意味合いはないため、友引の日に火葬を依頼しても問題はありません。

火葬場の予約が取れない場合は、遠くの火葬場にお願いすることもできます。しかし、場合によっては遺体の搬送に追加料金が発生することもあり、遺族・親族も移動の手間がかかってしまうため、近くの火葬場の日程を調整する方が一般的です。

葬儀・告別式の日程を決めてしまってから「火葬場が確保できない」という状況にならないよう、まず先に火葬場の予約状況を確認してから、火葬の日程に合わせてお通夜・葬儀・告別式の日程を組みましょう。

宗教関係者に予定を確認する

お通夜・葬儀・告別式を執り行うには、菩提寺の僧侶や神職・神父・牧師といった宗教関係者のお力が必要です。火葬の空き状況を確認したら、宗教関係者の方にも問い合わせましょう。もしも宗教関係者の都合がつかない場合は、1~2日ほど葬儀の日程をずらして対応します。スケジュール調整が難しい場合は、葬儀会社と相談を重ねたうえで、同宗派の寺院・教会などを紹介していただくこともできます。

葬儀場の空き状況を確認する

ご逝去の日時によっては、葬儀場が混み合っていて予約が取れなかったり、定休日だったりする場合もあります。葬儀場の空き状況を確認して、スケジュールの都合がつかなければ、葬儀の日程を変更する、他の葬儀場に依頼するといった対応が必要です。

葬儀のスケジュール

次に一般的な葬儀の流れを解説します。まず、ご逝去の翌日に通夜を行い、その次の日に葬儀・告別式と火葬を執り行います。喪主は、基本的に故人の配偶者や子どもが務めます。葬儀会社がスケジュール調整をお手伝いしてくださるとはいえ、葬儀まで時間の余裕もなく、心の整理もつかない状況で葬儀の内容を決めることになるでしょう。急いで葬儀の内容を決めなくてはいけないことも多いため、あらかじめスケジュールの流れを知っておくことをおすすめします。

臨終時の対応

ご臨終された後は葬儀会社に連絡し、葬儀の日程調整や打ち合わせをします。葬儀の日程は家族・親族の都合と調整しながら決定し、友人・知人への訃報連絡は葬儀のスケジュールが確定してから行います。

お通夜

お通夜をいつ行うのか明確な決まりはありませんが、特別な事情がない限りは、ご逝去された翌日に執り行うのが一般的です。ご遺体が傷まない間にお通夜をして、最期のお別れをするほうが望ましいからです。

故人がお亡くなりになったのが午後だと、お通夜のお知らせや火葬場・葬儀場の手配が間に合わないかもしれません。また、火葬場・葬儀場の都合によって、翌々日に葬儀・告別式・火葬ができないという事情があるケースもあります。そういった事情がある場合は、翌々日にお通夜を執り行うこともあります。

葬儀

葬儀当日には、読経、焼香、弔事・弔電のご紹介、喪主からの挨拶などを行い、故人を偲びます。葬儀もお通夜と同様に、いつ行うのか明確な決まりはありませんが、亡くなってから24時間以内には火葬ができないので、葬儀はご逝去された日の翌日以降に行われます。一般的には、葬儀・告別式が終わってから火葬という流れになりますが、ご遺体が痛んでしまっている場合や、遠方でお亡くなりになって搬送に時間がかかってしまう場合、あるいは遺族・親族の都合で、どうしても葬儀を執り行うタイミングがずれてしまう場合には、火葬から先に行う「骨葬」という方法を取ることもあります。

火葬の流れ

葬儀・告別式が終わったら、出棺をして火葬場へ向かいます。弔問客は葬儀場の外で出棺を見送り、親族や故人と親しかった友人・知人が火葬場へ同行するのが一般的です。

火葬場へ移動したら、最期のお別れをしてから火葬を行います。火葬の目安は1~2時間。この間に、精進落としを行える施設を備えた火葬場も増えています。火葬にかかる時間はご遺体の状態にもよりますが、副葬品に貴金属が入っていた場合は熱せられた金属類が冷めるまで待たなくてはいけないため、長引く傾向にあります。

火葬が終わったら、遺骨を骨壺に納める「お骨上げ」を行います。

葬儀の流れについては、以下のページでも紹介しています。故人がご逝去されてから、初七日法要までの一般的な葬儀の流れを解説していますので、ぜひご参考のため、ご一読ください。 しっかりお見送りするために知っておきたい【葬儀の流れ】

四十九日までに決めておくこと

葬儀が終わった後も、やるべきことがあります。不明点や不安な点があれば、葬儀会社へ相談しましょう。

香典返しの用意

四十九日を過ぎたら、香典を持参して弔問いただいた皆様へのお礼と、四十九日の法要を無事に終えたことをご連絡するために、香典返しをお送りします。

香典返しは「半返し」が基本で、いただいた金額の半額相当の品をお贈りします。ただ、香典が高額な場合、半返しでは経済的な負担がかかってしまい、それは香典をお渡しした方も本意ではないでしょう。そういう場合には、3分の1相当の品でお返しすることになります。

もしも、「香典返しにどのような品物を選べばいいかわからない…」とお悩みの方は、香典返し専門店「お返しナビ」をぜひお役立て下さい。金額に応じたさまざまな香典返しの品をご用意しているほか、宗派ごとの挨拶状や掛け紙・のしをお付けするサービスや、法要案内ハガキの作成ができるサービスもご用意しています。

本位牌の用意

ご逝去後に用意される白木の位牌は、「仮位牌」と呼ばれており、四十九日までは遺影・遺骨と一緒に供えますが、四十九日法要で「本位牌」に代える必要があります。したがって、本位牌は四十九日に間に合うように逆算して用意します。仮位牌は寺院・葬儀会社で用意してくれますが、本位牌は四十九日までに仏壇・仏具店で購入した後、四十九日法要にて「魂入れ」の供養をしていただきます。本位牌が届くまでは2週間ほどかかりますので、早めに手配しておきましょう。

しかし、忙しかったり、心の整理がつかなかったりと、四十九日までに位牌が用意できないこともあるかもしれません。その場合、納骨時や百箇日法要・一周忌のタイミングで魂入れの供養をされるご家庭もあります。位牌の手配でお悩みでしたら、葬儀会社の担当者や住職の方に相談することをおすすめいたします。

納骨の準備

納骨式は、基本的に四十九日法要の際に執り行うことになります。そのため、それまでに埋葬許可証や墓地受入許可証を取り、骨壺やお墓・当日のお供え物やお布施を用意しなければなりません。また、納骨式に参列する親族に連絡を取る必要もあります。ただし、納骨をいつまでに行わなければならない、という定めはありませんので、百箇日法要や一周忌法要のタイミングなど、気持ちの整理がついたタイミングで納骨式を行うといいでしょう。

法要についてお知りになりたい方は、以下のページをご覧ください。法要と法事の違いや法要の種類など、法要・法事の詳細を紹介しています。 法事・法要の意味の違いとは?年回忌法要と法事の準備の流れについて

葬儀と慶事が重なりそうな場合はどうする?

訃報はいつでも急にやってきます。そのため、ずいぶん前から備えていた予定と重なってしまうこともあるでしょう。もしかすると、身内や知人・友人の結婚式と葬儀が重なってしまうかもしれません。結婚を祝う式と、故人とお別れをする式が重なってしまった場合は、どちらを優先したほうが良いのでしょうか。

一般的には、葬儀と結婚式が重なった場合は、葬儀のほうを優先します。身内の方がお亡くなりになった場合は、結婚式はあらためて催し、故人との1回限りのお別れをする葬儀を優先して執り行います。

結婚式の出席を決めていて、親族や友人・知人の訃報の知らせを聞いた場合、身内の結婚式であれば、葬儀への参列を辞退しても失礼にはあたりません。葬儀のほうを欠席する場合には、弔電を打ち、心を込めて哀悼の意を示してください。また、後日に都合が付けられるなら、ご遺族に相談したうえで、ご自宅に訪問して直接ご香典をお渡しするのも良いでしょう。もし、ご遺族との都合が合わない場合は、お悔やみの言葉を記したお手紙を添えて、現金書留でご香典をお送りします。

もし、友人・知人の結婚式と葬儀が重なり、あなたと故人との関係が深い場合は葬儀に参列する方がいいでしょう。亡くなった方とのお別れは一度きりしかありません。友人・知人には、後日あらためて、ご祝儀やお祝いの品をお渡しするという方法が取れます。

参列者として出席する葬儀と結婚式が同日になってしまったものの、時間帯が重なっておらず、両方に参加できる場合は、どちらにも参加していただいても良いとされています。どちらも、人の縁を大切にする式に違いはないからです。

もし、葬儀と結婚式のどちらか一方にしか参列できないという状況であれば、故人との関係性を考慮したうえでお決めになるかと思いますが、葬儀を優先させたほうが良いでしょう。慶事はあらためてお祝いをする機会がありますが、故人と今生の別れをする機会は二度と訪れません。

葬儀と結婚式が同日に重ならなかったとしても、結婚式と喪中期間が重なってしまうこともあるかもしれません。そういった場合は、結婚式に招待いただいた方に「喪中期間であり、参加を辞退したい」とお伝えしましょう。四十九日を過ぎたら気にしない、という方も多いですが、喪中期間の参列者がいることを、年配の方は特に気にしてしまうことがあるので、念のため、結婚式に招待していただいた方にお聞きしたほうが良いといえます。「親しい間柄だから、ぜひ参列してほしい」とおっしゃっていただいた場合には、出席しても問題ありません。

いざというときのために事前準備をしましょう

葬儀は、遺族・参列者・菩提寺・火葬場などの事情を考えながら日程調整をする必要があります。心の整理をつける間もなく葬儀の準備をしなければなりませんが、事前に色々と調べておくことで、負担が軽くなるかもしれません。

焼香をしてくださった弔問客の皆さまからいただいた香典については、四十九日が過ぎたら香典返しをお送りすることになります。香典返しや挨拶状の手配でお困りでしたら、ぜひ香典返し専門店「お返しナビ」のご利用をご検討ください。お返しナビでは香典返しにご利用いただける商品を多数取り揃えており、さまざまな宗教・宗派の挨拶状・掛け紙をご用意するサービスもご用意しております。詳しくは、下記のページからご覧いただけます。 香典返し・法要専門店「お返しナビ」

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